人気ナンバーワンの「カムイワッカ湯の滝」へ

知床半島で人気一番の露天風呂といえばカムイワッカ湯の滝です。
ところが、カムイワッカファン、知床ファンからは、「昔は楽しかった」の大合唱が聞こえてきます。
というのも、落石の危険、滑落の事故多発などの理由により、現在、一の滝から上流へは立入禁止になっているのです。

カムイワッカ湯の滝は一の滝までしか行けません!

カムイワッカ湯の滝は、ワッカ川に落ちる瀑布群の総称。実はワッカ川は河口が断崖になっていて、いきなりダイレクトに海に落ちるカムイワッカの滝もあるので(ウトロ港を出航する観光船で見学できます)、それと区別するために「カムイワッカ湯の滝」と呼んでいるのです。

カムイワッカ湯の滝への障害がふたつ。
ひとつは、アクセスです。8月のトップシーズンと、9月下旬・紅葉の連休時にはマイカー規制が敷かれ、カムイワッカ湯の滝登山口への道道は、マイカーでアクセスできなくなります。その期間は、ウトロ温泉もしくは知床自然センターの駐車場に車を入れて、シャトルバスを利用することに(知床五湖の駐車場に車を入れての乗車はできません/知床五湖での途中下車は可能)。
もうひとつは、本来のダイナミックな「カムイワッカ湯の滝」は四の滝。四の滝は落差もあって絵になるし、温度も適温だったのです。
しかし、アプローチの沢登りがかなり本格的で、滑落する人が続出。さらに四の滝周辺での落石の危険もあって、現在は一番下の一の滝から上流部は立入禁止。
一の滝の湯温は30度と、まさに「温湯(ぬるゆ)状態」。
取材に同行した温泉達人の飯出敏夫さん、板倉あつしさんは、
「これならへっちゃら。でも一般の人には少し温いかな」(飯出さん)
「温泉は結構薄まってはいるけど、目にしみるからかなり硫黄分が濃いはず」(板倉さん)

ちなみに「カムイワッカ」とは「神の水」の意。アイヌ語のKamuy(神の)-wakka(水)に由来します。とはいえカムイワッカ川の水は硫黄分を含む毒水です。Kamuy(神)は聖なる神というより荒ぶる神と訳すのが妥当で、「荒ぶる神の水」といったイメージでしょうか。
往時を知る知床ファンにとっては、人出の割に、迫力に乏しい感じになりましたが、それでも知床の重要な「名所」のひとつ。時間が許せばぜひ探勝してみてください。
 
カムイワッカ湯の滝さすがはテレビなどに多数出演の飯出さん。30度という湯温にめげず、カメラを向けるといい湯だなの表情に

 

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