根北峠の斜里側に湧く秘湯「越川温泉」

根室国(根室地方)と北見国(北見地方)の旧国境に位置するのが根北峠。知床連山でいえば深田久彌の『日本百名山』にも選定された斜里岳(1535.8m)の東肩を国道244号が越えています。斜里からアクセスすれば峠の手前、羅臼・標津側からのアクセスでは、根北峠を越えた先に知られざる共同湯があります。それが越川温泉です。

探し当てるのにひと苦労

この温泉に入ったことがある人は、かなりの知床ツウか、さもなければ秘湯ファン、あるいは行動派のライダーでしょう。普通なら通り過ぎてしまう場所にあります。なぜなら入口に表示も何もないから。地元の人がのんびり入る「共同湯」なのですから。
目印になるのは越川橋梁(第一幾品川橋梁)。戦時下に朝鮮人の過酷な強制労働などで建設した根北線の鉄道アーチ橋(国の登録有形文化財)で、開通することのないまま廃線になったというコンクリート橋です。
斜里側からのアプローチでは越川橋を渡り、越川橋梁を目にしたら要注意。左手にドラム缶が門のように置いてあるダートがあればそれが入口です。逆に羅臼・標津側からだと越川橋梁を目にしたら行き過ぎというワケです。

この越川集落が温泉名の由来で、超秘湯にもかかわらず、国土地理院の地形図にもちゃんと温泉マークが入っています。
 
越川温泉

中に入るとソファー付の休憩室もある意外に立派な施設で、越川温泉管理組合が管理しています。入浴料200円は、備え付けの頑丈そうなドラム缶に入れる仕組み。
「マナーを守って入浴してね」とは当日お会いした越川温泉管理組合の人の話。
泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉(低張性中性高温泉)。旧泉質名でいえば含石膏-食塩泉です。
「ちゃんと休憩室に温泉分析書が掲示してあるところがいいね」
と温泉達人の飯出敏夫さんと板倉あつしさんは声を揃えます。
さすが、達人、こだわる部分も違います。
源泉温度が源泉温度が50.9度と高いので沢の水を引いて加水しています。それでも源泉掛け流し。鉄分でコンクリートの浴槽は赤茶けています。pH7.1で思いのほか、ツルツル温泉。

 

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