アルラン3世号でマッコウクジラを観察

知床半島の根室側(東側)にある羅臼港(羅臼町)からホエールウォッチングの船は出航します。
解説がユニークな長谷川正人船長のエバーグリーンも人気の船ですが、取材班が選ぶのは、「アルラン3世号」です。

 

なぜ「アルラン3世号」を選ぶのか?

もっとも重要な要素は「早いから」。羅臼行を基地とする観光船(4社)のうち、スクリューが2基(2軸)の船は「アルラン3世号」(株式会社まるみ)だけなのです。
ただ、早いだけではありません。
「アルラン3世号」は、大型フェリーや旅客船が加盟する「日本旅客船協会」に所属する旅客船。旧運輸省時代に認可航路となっていた羅臼では最古参の旅客船なのです(現在就航する船は2代目です)。
 
厳しい安全規制のあった時代に、旅客船として認められた船だったというわけなのです。日本広しといえどもそんな船でホエールウォッチングをしている場所はありません。他の海域の同種の船に比べて安全で安心です。当然、手すりの高さなども往時のままで、現在も厳しい管理のもとで運航されています。
 
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もちろんトイレも完備しています。客室もありますから寒い場合、あるいはデッキだとなみを被る時には客室に避難することもできます。
とはいえ、波が高いとき、近くを漁船が通過したときには思わぬ高波を受けることもありますから、お子様連れの乗船時には、手を離さないよう注意が必要でしょう。

夏なら8割以上の確率でマッコウクジラに遭遇

どれだけ豊かな自然が自慢でもクジラをただ追いかけ回すだけでは、本当のホエールウォッチングとはいえません。根室海峡は漁師の生活の場でもあり、クジラの子育ての場でもあるのです。このふたつは、ともに根室海峡の自然環境が末永く維持されなければ、後世まで伝えることができません。

ホエールウォッチング船「アルラン3世号」は、知床岬クリーン作戦などを実施するNPO法人しれとこ・ラウシとの間に「根室海峡ホエールウォッチング自主ルール」を定め、環境に負荷を与えない状態でのホエールウォチングを実施しています。

魚やイカがいる場にはクジラも現れます。根室海峡で毎日操業する漁船(「アルラン3世号」の高橋幸雄船長も元は漁師です)から、クジラの最新の出没情報をキャッチし、出港します。

出港できる状況であれば、8割から9割という高確率でクジラを観察できます。
例年なら、5月から7月上旬にミンククジラ、7月中旬から9月上旬にマッコウクジラ、8月下旬と9月下旬にツチクジラ、期間をとおしてイルカという状況です。とくに夏休みには、出港できればほぼ確実にマッコウクジラが観察できるでしょう。
 
近年は、長崎大学の天野雅男教授や大学院生、学生らが、羅臼灯台脇の「クジラの見える丘公園」からクジラの出没状況を観測。噴気を上げた位置と時間を記録しているので、仮にマッコウクジラが潜ったとしても30分ほど後にその近くに行けば、必ず浮上するというワケなのです。
さらに観光船にも研究員が乗船し、水中マイクでマッコウクジラのクリック音を確認。
これによって遭遇の確率はさらにアップしたというワケなのです。

 

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